2017.04.10
うつと鑑別が必要な様々な疾患について
心配があったり、落ち込んだ時に「うつっぽい」という表現が日常的に使われることもあり、うつかもしれないと受診される方も増えています。
一方で症状はその方によって様々であり、うつに近い症状が出ていても、以下のような疾患も鑑別に入れていく必要があります。
・心身症
ストレスや悩み事、心配事が身体的な症状として現れる病気です。
過敏性腸症候群や過換気症候群などが当てはまります。
・パニック障害
特別な理由もなくパニック発作(動悸、胸痛、窒息感、めまいや非現実感が突然襲ってくる発作)が生じます。いつ発作が起きるのかという不安(予期不安)を通常は認めます。
・強迫性障害
手を何度も洗わないと気が済まない、戸締りを何度も確認してしまうなど、不安を振り払う目的から同じ行動を繰り返してしまう病気です。理不尽だとわかっていてもやめることが困難となります。
・社会不安障害
人前で話したりすると必要以上に緊張してしまい何もできなくなってしまう、人前で字を書く時に手が震えるなどの症状を認めます。そのような行為を避けるようになります。
・全般性不安障害
特定のことに限定されない、漠然とした不安が長時間続きます。仕事や過程や天災や将来のことなどあるゆることが対象となります。何か恐ろしいことが起きるのではないかという絶えず心配されます。
疾患によっては治療方針が異なりますので、最初の診察とそれからの経過をじっくり見ていくことた大切となります。