2017.01.12
パニック障害とうつ病の併存
パニック障害の35%、広場恐怖を伴うパニック障害の39%にうつ病が併存するというデータがあります1)。また双極性障害との併存は2割から3割、気分変調症との併存は1割程度あります。
うつ病とパニック障害が併存すると、死にたくなる気持ちや自殺してしまうリスクが上がるため、慎重な治療が必要となります。
治療の主体は薬物療法となりますが、最初に使用されるのはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)となります。
副作用として、特に初期は胃腸症状やだるさなどがあるため、それぞれの方にあった種類と量を用います。
また、不安が強い方や睡眠がしっかり取れない場合は、抗不安薬や睡眠薬を使用したり、症状やその方の希望に応じて漢方薬を処方することもあります。
治療の組み立てはそれぞれの方によって異なりますので、最初にしっかりと症状や経過をお聞きすることが大切になってきます。
- Kessler RC,Chiu WT,Jin R et al:Arch Gen Psychiatry63 :415-424,2006